子どもを取り巻く諸環境との関連性で発達や障害をとらえる近年の概念・モデルの検討から、学校での学習と学外での生活・社会参加を結びつけるカリキュラム横断的な授業の重要性が示唆された。次に、知的障害児教育におけるカリキュラム横断的な学習形態である「領域と教科を合わせた指導」に適合する学習理論の条件について考察した。結果、従来の認知・学習理論にはない、実践的・社会-文化的文脈をとりいれた状況的学習論の適合性が高いことが明らかになった。さらに、知的障害児の領域・教科を合わせた指導における授業設計や評価のための要件について、状況的学習理論や活動理論の観点から検討した。