島根大学教育学部紀要

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島根大学教育学部紀要 44別冊
2011-02-25 発行

新学習指導要領と英語教育のこれから : 初等・中等教育を見通して

English Language Education under the New Course of Study : From Elementary School through High School
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内容記述(抄録等)
平成20年, 平成21年に行われた学習指導要領の改訂は経済協力開発機構(OECD) が実施しているPISA調査の結果を踏まえたものである。PISA調査はOECD加盟国の15歳児を対象とする国際学力調査であり, 2000年以降3年間隔で実施されている。日本はこの調査に継続して参加しているが, 得点の経年変化から日本の高校生の母語における読解力が下がってきていることが明らかとなっている。そのため, このたびの学習指導要領の改訂に際しては「言語力(PISA型読解力) の育成」が学校種を超えた, 教科を超えた大方針の一つとして盛り込まれることとなった。本論文では, この言語力の育成に向けて, これからの学校英語教育(小学校外国語活動, 中学校外国語科, 高等学校外国語科) には①日本語, 英語といった個別言語の枠を超えた言語一般に対する気づきや深い理解を導く指導, ②いわゆる4技能を組み合わせて用いる統合的な言語運用力を養う指導, ③自分の意見や考えを論理立てて表現する力を養う指導が求められることを学習指導要領解説内の具体的な記述に沿いながら明らかにした。そして, そのような指導方針の共通性が生まれることによって英語教育における小・中・高等学校間の連携についての考え方が大きく変わる可能性を秘めていることを示した。
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