島根大学教育学部紀要

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島根大学教育学部紀要 40
2006-12-22 発行

異化の詩教育学 : 存在型の創作指導

A Study on Poetry : Teaching in Alienation Effect
足立 悦男
ファイル
内容記述(抄録等)
 本研究は「異化の詩教育学」という仮説的な教育理論の継続研究である。今回からは、詩の創作指導の分野において、異化の詩教育学の理論と方法について考察していく。本稿では、拙稿「異化の詩教育学ー教材編成の理論と方法」(『島根大学教育学部紀要』第34巻)で仮説的に提示した教材類型の中で「存在型」の詩の創作指導を取り上げる。
 存在型の詩の創作指導は、表現対象(ヒト・モノ・コト)の存在性をテーマとした詩の創作指導である。取り上げる事例は、山際鈴子(大阪児童詩の会)の実践と、私の主催していた研究会(大阪ことば教育研究会)の実践である。山際鈴子は戦後児童詩教育の代表的な実践家の一人である。山際は子どもたちの想像力を引き出すために、さまざまな実践を試み、すぐれた児童詩を数多く生み出してきた。そして、その実践は、私の研究してきた異化の詩教育学の立場からみても、実に魅力的な創作詩の指導であった。本稿で取り上げようとする所以である。
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