中学校の技術・家庭科(以下,技術科と略称する)と数学科は認知面での目標や内容に密接な関連があるとされている。それならば,技術科学習における情意的特性と数学科学習における情意的特性との間に関連があるか否かは興味深い問題である。
筆者らは,前報において,数学科に対する態度尺度(Mathematics Attitude Scale, 略してMAS)及び技術科に対する態度尺度(Technological Education Attitude Scale,略してTAS)を測定用具として用い,男子中学生を対象に,数学科と技術科の学習における情意的側面について測定することにより,2教科に対する学習態度を比較,検討し,2,3の知見を得てきた。
本稿では,女子中学生を対象に,MASおよびTASを測定用具として用い,数学科と技術科の学習における情意的側面について測定することにより,2教科に対する学習態度を比較,検討する。併せて,紙幅の許す範囲で男子生徒の情意的特性との比較を試みる。 そこで,次のような研究目的を設定した。
〔目的1〕数学に対する態度尺度(MAS)の信頼性,妥当性の検討。
〔目的2〕技術科に対する態度尺度(TAS)の信頼性,妥当性の検討。
〔目的3〕生徒の数学科に対する態度と技術科に対する態度の比較。
〔目的4〕数学科及び技術科に対する態度の男女比較