島根大学教育学部紀要. 教育科学

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島根大学教育学部紀要. 教育科学 20
1986-12-25 発行

砲丸投の学習指導に関する研究(第2報) : スタンディングからの投げについて

A Study on Teaching Mathods in Shot Put.(Part 2) : on the Shot Put from a Standing Position
斎藤 重徳
渡辺 悦男
大谷 和壽
植野 淳一
ファイル
内容記述(抄録等)
 前回の報告では,砲丸投の初心者の指導に際しての基礎的な手がかりを得るための手段として,熟練者と未熟練者との比較により,砲丸投の動作における身体各部のスピードや軌跡等を中心にまとめた。
 今回は,異った2つの学習を同一被験者を対象として行い,それぞれの学習による学習効果の違いや,異った2つの学習の効果を比較することによって,初心者の砲丸投の指導における基礎的な手がかりを得ようとするものである。
 その学習の1つの方法(series 1)は,被験者に対して技術に関した情報は与えず(ルールに関するものと,投法としてのその場投げの説明は行う),ただ記録の向上を目指して1日に20投,計7日のトレーニングを行うものである。
 もう1つの学習(series 2)は,その場投げによる砲丸投の手本(熟練者をモデルに,立って構えた姿勢から投げ終えてリバースするまでのもので,砲丸の保持,構え,投げ,リバースといった各局面における留意点等を詳しく入れたもの)のVTRを被験者が毎回トレーニングする直前に見せ,その後1日に20投,それを7日繰り返し行うといった学習の方法である。
 前回の報告では,熟練者と未熟練者との大きな違いは,支持脚(右投げの人は右脚)の効果的な動きの差異によるところが大であると述べた。つまり,投げの動作の中で大変重要な局面と考えられる支持脚のすばやい伸展に伴う動きが,未熟練者にはあまりみとめられない。そこで,この学習(series 2)では,その支持脚の使い方や動きにポイントをおいて手本を作製し,その効果をもみようと試みた。