オゾン層破壊に伴って増加する有害紫夕絲泉の人体,特に毛髪に与える影響について紫外線照射された毛髪を用いて,毛髪中に生じたラジカルの種類やその挙動を調べた結果,5種類のラジカルが生成することがわかった。このことは有害紫外線に曝されることよって,毛髪の構成分子の5箇所以上で毛髪が損傷を受けることを示唆している。そのうちのーつ,メラニン色素が関与したラジカルの挙動から,メラニン色素が有害紫外線を吸収し,頭皮に与える影響を緩和しており,サンスクリーング剤と同様の作用をしていることがわかった。紫外線に対する毛髪の洗髪の効果や茶髪などへの脱色の影響についても興味ある知見を得た。皮膚が複雑化した毛髪などの身近な素材によってオゾン層破壊を直接的に知ることができ,地球規模の環境破壊にまで興味を持たせた環境教育の可能性を見出すことができた。