本研究の目的は、山陰地方に立地する地域未来牽引企業(㈱さんれいフーズ)のビジネスモデルや取引関係の考察を通して、地域未来牽引企業が有する取引構造や「地域経済を牽引する力(地域経済牽引力)」の実態を明らかにすることである。その際に、地域未来牽引企業のコネクター(域外への販売)機能とハブ(域内からの仕入れ)機能に着目した。分析の結果、㈱さんれいフーズは、コネクター度・域外から稼ぐ力は強い一方で、ハブ度・域内からの仕入れの度合いは相対的に弱いことが明らかになった。これは、㈱さんれいフーズの経営戦略やビジネスモデルに基づいて形成される取引構造によって影響を受けているからである。