シェアリングエコノミー(共有経済)は新たな需要を掘り起こすと同時に、既存事業者のビジネスを代替し市場に劇的な変化をもたらすいわゆる「破壊的イノベーション」の側面を持っている。これに対して各国政府も政策的な対応を講じているが、一方でシェアリングエコノミー事業者も事業そのものの導入に際して既存事業者のビジネスと連携し、既存事業者もシェアリングエコノミーのシステムを取り入れながら、これらの新しいビジネスを展開しようとする取組も見られる。本研究は、シェアリングエコノミーの導入と既存ビジネスとの競合・協力についての事例研究を通じて、経済のデジタル化がもたらす市場構造の変化とこれに対応する経済効果推計のための考察とする。