Memoirs of the Faculty of Education, Shimane University. Educational science 3
1970-02-28 発行
The Relationship Between Test Anxiety, General Anxiety, Intelligence and Academic Performance in Pupil
Description
本研究は中学生を対象として,テスト不安および一般不安の知能,学カ検査成績に対する相関の特質を検討し,さらにこれらの相関に関与する要因として被験者のもつ知能水準をとらえ,相関の分析を行なった。その結果つぎのような結果をうることができた。
一般的な相関について,
(1)テスト不安は一般不安に比べ知能,学カなどの知的測度に対して高い負の相関をなす。
(2)しかし,知能検査の形式(A式,B式)および学力の種類(数学,国語)による相関の差異はみられなかった。このことから,これらの知的測度の実施は被験者にとってはいずれも test like なもの(game-like なものに対して)として等質な課題として受けとられるように思われる。
(3)テスト不安,一般不安ともに,女子は男子に比べてより高い負の相関を得た。これは不安効果の男女差とみることができる。
(4)さらに不安効果の男女差として,負の相関の程度にかかわるのみでなく,学年的推移としても異なるものを示した。
知能水準別にみた相関について,
(5)一般的な結論は十分得られなかったけれども,部分的にみると,テスト不安の妨害的効果は低知能群に,また一般不安の促進的効果は高知能群に対して作用することが示され,このことから異なる不安の異なる効果が示唆された。