島根大学教育学部附属中学校研究紀要

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島根大学教育学部附属中学校研究紀要 35
1993-04-30 発行

生活力を高める指導をめざして : 調理活動を中心にした実践

Omura, Noriko
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Description
一、朝日かがやく 大空に
   伝統守る 学び舎よ
   明日に向かって 元気よく
   明るい希望 創るため
 二、明るい社会 夢にみて
   幸せ創る 学び舎よ
   集いて進まん 限りなく
   島大附中 養護学級
 これは、養護タイムと呼んでいる朝礼で毎日歌う学級の歌である。生徒の一日は、この歌で元気にスタートする。夢と希望をもち、明るく社会生活が送れることを願って、歌っている。
 しかし、現実の生徒を取り巻く社会的環境は厳しいものがある。そんな厳しい社会の中でも明るくたくましく生きていく生徒を育てるためには、どのような指導をしていけばよいのであろうか。
 近年、障害児の教育は、統合教育(インテグレーション)や交流教育の実践が進みつつある。障害をもつ子どもであっても、可能な限り、地域のなかで、健常児とともに、あたりまえの生活を経験することが、この子どもたちの発達を保証し実現するものであり、また、健常児にとっても必要であると考えられ、実践されてきた。
 いいかえると、この子どもたちの心身の特性を十分考慮した教育や指導が必要であり、形式的に健常児と同じように扱うことだけでは、かえって発達を阻害することになるであろう。また、一方小集団での限られた経験や保護的・受動的・指示的な教育・指導のあり方や家庭内だけの人間関係と生活経験だけでは、一人の人間としての自律的・自立的生活の態度を阻害する危険が潜んでいる。このことは、結果的には、地域社会のなかでの就労を含む自立的生活や社会参加を困難なものにするであろう。
 そこで、本学級では、生活や経験を重視した教育内容を中心にした生活単元学習や作業学習の時間を教育課程の柱にして指導を行っている。