島根大学教育学部附属中学校研究紀要

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島根大学教育学部附属中学校研究紀要 35
1993-04-30 発行

スピーチ活動と英語の歌の実践 : 第一学年の指導を通して

Kawanishi, Naoko
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平成元年3月に告示された新学習指導要領における英語科の改訂は、国際化の進展に対応し、国際社会の中に生きるために必要な資質を養うという観点から、特にコミュニケーション能力の育成や国際理解の基礎を培うことを重視するために、次の三つの基本方針に基づいて行われた。
 ①読むこと及び書くことの言語活動の指導がおろそかにならないように十分配慮しつつ、聞くこと及び話すことの言語活動が一層充実するよう内容を改善する。
 ②生徒の学習の段階に応じて指導が一層適切なものになるよう指導内容を、より重点化・明確化するとともに、生徒の実態等に応じ多様な指導ができるようにする。
 ③英語の習得に対する生徒の積極的な態度を養い、実践的な能力を身につけさせるとともに外国についての関心と理解を高めるよう配慮する。
この基本方針に基づき、英語科の目標と内容は、次のように改善された。
<目標>
 ○国際化の進展に対応して、コミュニケーション能力を一層育成する。
 ○コミュニケーションを積極的に図ろうとする態度を育てる。
 ○外国及び我が国の言語や文化に対する関心を深め、国際理解の基礎を培う。
<内容>
 ○聞くこと・話すことの指導の充実−音声による指導を重視し、特に第一学年の入門期においては配慮する。また、教育機器の有効な活用や、ネイティブ・スピーカーの協力などに配慮する。
 ○文型・文法事項などの取扱いの弾力化−文型・文法事項などについて学年による配当の枠を外し、生徒の実態や指導の場面に応じて多様で活発な言語活動を行う。
 ○授業時数の改善−各学年において年問105~140時間を標準とする。
 今回の改訂は、本校英語科がこれまで模索してきた方向と重なっており、心強く思うところである。本校では、ここ10数年来、聞く・話すことを中心に学習を進めてきており、生徒の話そうとする意欲は高まってきたと思う。しかしながら、マンネリ化も指摘されているところである。平成元年度からは、本校の研究テーマ「自ら学ぶ力を育てる学習指導」に基づき英語科では「豊かな表現力を伸ばす指導」と「自主研究を取り入れた学習」の両面から取り組んできている。本年度、私は久し振りに第一学年の英語を担当したので、意欲的に学習に取り組むための授業はどうあるべきか」を取り上げ研究することにした。