島根大学教育学部附属中学校研究紀要

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島根大学教育学部附属中学校研究紀要 35
1993-04-30 発行

選択教科「音楽」のあり方についての一考察 : 選択音楽「Let's sing a song」の実践を通して

Funo, Hiroshi
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今回の改訂で示された選択教科としての音楽は、学校や生徒の実態を踏まえ、指導の焦点をしぼり、一層深く音楽を追求する場、質の高い音楽表現をめざす活動を展開する場、そして伸び伸びと音楽の表現を楽しむ場として取り扱うこととされている。とすれば、生徒一人ひとりの個性の伸長や多様な授業展開をはかることが十分可能であり、個性の重視が叫ばれる現代の学校教育の中では、かなり重要な役割を果たしうると考える。しかしながら、本来の趣旨を踏まえた上で、選択音楽が実施されている学校は全国的に3割にも満たないという。
 本校における選択教科「音楽」としての取組みは、現行の学習指導要領の趣旨を踏まえた上で、4教科選択として以前から実施されてきた。しかし、「選択型の学習」を進めてい〈上での留意点には必ずしも配慮されていなかった。そこで平成元年度の試行を経て平成2年度から本格的な8教科選択を3年生で実施することとなった。
 これらを受けて音楽科としては、教官の専門性を生かすことや、生徒の選択幅の拡大を目的として、声楽と器楽の2講座を開設している。ここでは私が担当している声楽の講座について述べる。この講座は、平成2年度から合唱活動を中心に実施してきたが、意欲の持続の困難性、演奏形態のマンネリ化主体性の欠如、パターン化した授業展開などが問題点として上がってきた。そこで、これらを解決してい〈ための手だてを探ることとした。