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島根大学論集. 人文科学 Volume 14
published_at 1965-02-05
弘仁私記について
[Tomoda Yoshinosuke]
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a006014h003.pdf
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史学雑誌第七十編第九号に載せられた「弘仁私記と旧日本紀」と題する拙稿について、筏勲氏から、国語学の立場からの批判を戴いたことは、感謝に堪えないところである。ところで当時の拙稿は、長編のものであったため、拙論の中から、甲本が弘仁私記であることについて論証した部分を省略し、結論だけを述べておいた。筏氏の所論は「友田氏は前掲の如く『この私記が弘仁私記であることについての論証は別稿に譲る』と断ってをられるから、その論証の発表を待つてから後、批判すべきが礼かとも思はれるのであるが、後述の様に、私には甲本は弘仁私記そのものとは認め難い根拠が確実にあり、その根拠は恐らく友田氏の論証の御発表後でも効力は変るまいと予想されるのである。」という立場で書かれているのであるが、わたくしが結論だけを述べておいたため、誤解されているのではないかと思われる点もあるので、ここでは、当時、省略した部分を発表し、併せて筏氏の所論についての私見を述べさせて戴くことにしたい。
本稿における「一、弘仁私記」は、当時、省略した部分であり、「二、弘仁私記の仮名遣」は、筏氏の所論についての私見である。従って拙稿「弘仁私記と旧日本紀」の「一、養老私記と弘仁私記との関係」の前に、本稿の「一、弘仁私記」を挿入すれば、拙稿「弘仁私記と旧日本紀」が完結することになるのである。
本稿における「一、弘仁私記」は、当時、省略した部分であり、「二、弘仁私記の仮名遣」は、筏氏の所論についての私見である。従って拙稿「弘仁私記と旧日本紀」の「一、養老私記と弘仁私記との関係」の前に、本稿の「一、弘仁私記」を挿入すれば、拙稿「弘仁私記と旧日本紀」が完結することになるのである。
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