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島根大学社会福祉論集

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島根大学社会福祉論集 Volume 10
published_at 2026-03-31

福祉政策過程における行政統制の実証分析:市町村福祉総合相談拠点を多主体参加でどう構築するか

Administrative Controls Influencing Local Welfare Policy Processes
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島根大学社会福祉論集_10_p01-14.pdf ( 1.1 MB )
Descriptions
小論の目的は、市町村の福祉政策プロセスにおいて、多主体参加による行政統制がどう機能しているか、を明らかにすることである。事例として、島根県松江市と鳥取県米子市において、福祉総合相談拠点が実現する政策過程を描いた。両市は、まず、総合相談拠点構築のために、地域福祉計画策定委員会を活用し、住民・福祉専門職・行政の多様な意見を集約した。これにより、総合相談拠点の構想を描くことができた。次に、厚生労働省事業を活用した。これは、拠点の財源および人材(ソーシャルワーカー)の確保に資することになった。最後に、機構変革を行い、行政・社協の体制強化を図った。これら3つの過程を経て、総合相談拠点の構築が現実化する。以上は、「外在的統制」の実例である。一方、3つの過程において、行政担当者の果たす役割(内在的統制)も重要であった。考察部分では、住民・専門職・社協・行政らの協働を意味する「社会参加による統制」という考え方を示した。従来の研究で主に論じられてきたのは「権力による統制」である。地域福祉政策のプロセスでは「社会参加による統制」が大きく働くことを指摘した。
Doi