島根大学法文学部紀要社会文化学科
島根大学法文学部
島根大学法文学部社会文化学科
社会文化論集

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社会文化論集 14 巻
2018-03-20 発行

オランダの地域包括ケアシステムと日本への示唆 ―現地調査から見る「市民参加型の福祉」への転換―

Integrated Community Care System in the Netherland and Implications for Japan
本文ファイル
オランダの地域包括ケアシステムと日本への示唆 ―現地調査から見る「市民参加型の福祉」への転換― ( 1.13 MB )
内容記述
本研究は、オランダの現地調査をもとに日本同様、社会保険方式に基づく長期ケア保障を導入しているオランダの介護保障の制度改革の方向性について、医療、福祉制度とも関連づけながら検討することを目的としている。オランダの医療・介護・福祉の制度改革の方向性は、「国家による福祉」から本格的な「市民参加型の福祉」社会への転換である。そのキーワードは、“挑戦”、“統合ケア”、“規制された競争”、“効率化”、“マントルゾルフ”である。そして近年では、医療・介護から福祉へ、施設ケアから在宅ケアへ、専門職のケアから家族や地域住民・ボランティアによる「マントルゾルフ」へと移行している。着実な制度改革を可能にしている背景として挙げられる、国民への説明により合意形成を行っているオランダの姿、社会保障費増大に対して大胆な改革を行いながら、正面から向き合う同国の姿は、日本にも大きな示唆を与えるものである。
Doi
https://doi.org/10.24568/40872