タイトルヨミ | ウンドウ バメン ニオケル アシ ノ イチソク ユウイセイ ニツイテ ダイ2ホウ
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日本語以外のタイトル | On the Laterality in the Lower Limbs upon the Occasion of Pysical Activities
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ファイル | |
言語 |
日本語
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著者 |
大谷 和壽
植野 淳一
小玉 耕平
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内容記述(抄録等) | 対をなす器官である手足の場合,片側で出来る動作では,好んで使用する側がだいたい決まっている。
手については,右手利きの人が90%以上を占めている。そして,手による動作は,本来の利き手によってなされる動作・矯正されがちな動作などに分類されるが,利き手を判断するのにはボールを投げる動作を取り上げて利き手とみなすのが一般的である。 足の場合は,動作によって使用足が一定しないことや,右の者と左の者がほぼ半々になる動作が多いことなどから,利き足の判定に用いる動作が定まっていない。 ところで,木村等4)は「右手利きの者では,一般に,諸運動・動作で,左足は力的役割を,右足は機能性を果す」ように働き,「左足は支持脚,右足は機能脚と表現できよう。」とし,従来利き足の判別法として採用されていたボールを蹴る足を機能脚としての利き足を知るためのものととらえている。麓は,質問紙法により,ボールを蹴る足を機能的利き足と定義し,走り幅跳びと走り高跳びで踏切る足が同じ者について,その足を力発揮の利き足と定義することを提案している。 著者らは第1報において,運動場面で好んで使用する足と反対側足の機能面での比較を行い,ボールを蹴る足は脚筋カとステッピングに優れる,走り幅跳びの踏切足は垂直跳び・ケンケン走・2段跳に優れる,走り高跳びの踏切足は2段跳に優れる,平衡機能の指標として閉眼片足立を用いたがいずれの運動場面でも有意差がみられない,という結果を得た。すなわち,ボールを蹴る足は等尺性最大筋力と敏捷性に優れ,踏切足はジャンプ的な瞬発力に優れる傾向がみられた。 木村等や麓の,動作時における使用足のとらえ方と著者らの第1報を対照してみる。 木村等は利き手と同側足を機能脚と表現し,麓はボールを蹴る足を機能的利き足と定義している。利き手とボールを蹴る足は95%以上の者で一致するという報告もあり,ほぼ同一の意味合いを持つとも考えられるが,木村は利き手との関連で下肢の一側優位性現象をとらえているところに特徴がある。第1報では利き手に関する調査を行っていないので,今回は利き手(ボールを投げる手)の項目を含める。そして,「機能脚」や「機能的利き足」を,行動体力のうち特に調整カ面に優れる足ととらえると,ボールを蹴る足と反対足の比較において,敏捷性のみでなく,片足で身体の平衡を保つ能力を調べるテスト結果にも差が見られることが推測される。第1報で平衡機能の指標として用いた閉眼片足立では,個人のバラツキが大きく保持時間の平均値比較が出来なかった。そこで,人数の比較を行ったが,優劣の判定が出来ずequalとした者が半数以上となった,そのため有意差が認められなかったとも考えられる。今回は足圧中心動揺の軌跡長を調べることにより,平衡機能の比較を行い,動作において果たす役割について検討する。 木村等は利き手の反対側を力的役割を果たす支持脚と表現し,麓は走り幅跳びと走り高跳びの踏み切りが一致した足を力発揮の利き足と定義している。第1報において,走り幅跳びと走り高跳びの踏切足は,ジャンプ的瞬発力に優れる傾向はみられるが,静的筋収縮による等尺性最大筋力には有意差が見られていない。また,支持脚(利き手の反対側足)についての検討は行っていない。今回は運動場面と筋力発揮の関連について検討を行う。 |
掲載誌名 |
島根大学教育学部紀要. 教育科学
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巻 | 24
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号 | 1
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開始ページ | 29
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終了ページ | 33
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ISSN | 0287251X
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発行日 | 1990-07-31
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NCID | AN0010792X
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出版者 | 島根大学教育学部
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出版者別表記 | The Faculty of Education Shimane University
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資料タイプ |
紀要論文
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部局 |
教育学部
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