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タイトルヨミ
ズガク キョウイク ニ オケル トウエイ ズケイ ニンチ ノ タメノ コンピュータ ノ リヨウホウ
日本語以外のタイトル
A Method of Computer Assisted Instruction for Recognition of Projections in Descriptive Geometry Education
ファイル
言語
日本語
著者
大國 博昭
福島 誠
内容記述(抄録等)
 図学は,理工系大学・学部の教養課程あるいは短大,高専などにおいて,一般教育科目や基礎教育科目,もしくは専門科目として広く開講されており,重要な科目の一つとして考えられている。
 また,本学部のような教員養成機関においても,製図領域の中で,「図学・製図を別々の授業科目とし,かなりの単位配分をし,しかも必修として課している」のである。
 図学は図法幾何学の略称であって,主として,三次元の空間図形(立体図形)を,初等幾何学や射影幾何学などの諸定理を理論的根拠とし,それを二次元の平面上にいかに適切に図表示するか,という客観的方法や,その図形の幾何学的性質を考究する学問といえる。
 このように図学は,平面図形や立体図形を作図的手法を通して考察することを主たる目的としていることから「(1)基礎的な平面図形,(2)作図的手法,(3)立体の概念およびその表現法」などがその対象となる。
 従って,図学の学習では「正しく作図ができること」が重要となり,「作図ができる」ためには,図形の諸性質,概念にもとづいて,論理的に順序よく幾何学的推論ができ,また,その推論の過程が正しく表現できることが必要となる。
 図学教育の目標は,図学の学習を通して習得されたものを基礎として,各専門分野に,例えば,工業製図における基礎知識・製図技術として,これを応用することは言うまでもないが,さらに学習の過程において,空間的・立体的観念の養成,緻密さ及び創造的思考力の基礎を養うこととともに,精密な作業に慣れることをも,その大きな目標の一つであるとしている。
 技術科教員養成においては,図学は設計・製図や他の加工領域などの授業科目との関連もあって,「空間的・立体的観念を養うという目的があり,したがって,)……(中略)……立体図学をその核にすえるべきであろう」とし,『図学を通して技術教育に欠かすことのできない空間的・立体的な観念を教授しようとしている』ことが,「広く支持され,各教員養成機関においてほぼこの考え方を中心にして授業が行われているようで」ある。
 このように,大学・学部によって,教養課程での一般教育科目として授業が行われているところや,専門科目として,初めから目的的に授業を行うところなど,図学の扱われかたは,さまざまであるが,図学教育のねらいとするところには,共通性がみられる。
 当研究室においても,前述されているような目標のいささかでも,という立場から,設計・製図の授業科目の中で,専門必修講義として,また,これが他学都の学生に対しては,専門関連の選択科目の一つとして位置づけられている。
 そうしたなかで,今日の図学教育の実態は,どのようになっているのか,高専と技術科教員養成機関の情況を中心にとらえながら,それを概観してみた。また,そのことをふまえて,今後の図学の教授・学習にあたって,その指導方法の改善をはかるための一つの試みとして,解析幾何学,ベクトル解析及びテンソル解析などの幾何学の諸公式を理論的根拠とした,いわゆる解析的手法によって,パーソナルコンピュータならびにディスプレイシステム等を利用した図形表示を,指導過程の中で活用することを計画した。本稿は,これらのことについての報告である。
掲載誌名
島根大学教育学部紀要. 教育科学
19
開始ページ
79
終了ページ
86
ISSN
0287251X
発行日
1985-12-25
NCID
AN0010792X
出版者
島根大学教育学部
出版者別表記
The Faculty of Education Shimane University
資料タイプ
紀要論文
部局
教育学部
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