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タイトルヨミ
ゲンダイ シチョウ カラ ミル オンガク ノ カチ
タイトル別表記
The Value of Classical Music on the Contemporary Thought
ファイル
言語
日本語
著者
知念 辰朗
内容記述(抄録等)
 音楽に親しむ人々,特に自ら歌い楽器を奏する人々は目立たないが,各地に増えつつある。その人達の技術水準は千差万別であるが,いずれも自発性に富み,積極的活動を行っている。一般的分類をすればアマチュア,セミプロ,プロフェショナルの3段階にわけられよう。元来,プロの音楽家は,音楽を生涯に亘って自己学習する典型であるが,ここでいうアマチュア,セミプロ,も学習内容の程度差はともあれ,プロフェショナルな生き方を規範として,音楽を生涯の糧とする。最近提唱されている「生涯教育」の観点からいえば,自発性に基づくこうした活動こそ,求められる理想の姿なのであろう。ライフスタイルは,どのようなものが良いかは結局一人一人に培われた価値観に基づくものであるが,その価値観も,ほぼ25~26才までに固定するものである。特に音楽の場合は,10代で半ば基本的方向がきまる,それまでに定まらない価値観であれば,それは生涯学習という視点から見れば上手く機能しにくい。しかしその場合でも,その人にとって数ある趣味の一つとして存在するならは,それで充分に意義がある。さきの息の長い自已学習,それに耐える価値の創造となれば,それなりの努力を経なければそうした価値観は獲得できない。最近,都市部に増えた若いアマチュア達は,小さい時から一環した音楽教育を受けており,それが現在の活動の基になっている。バイオリンなどは,その典型であり,一般大学にあるオーケストラでは,弦楽器パートの大半はこうした人達が中枢を担っている。そして彼等によってクラシック音楽文化が支えられている,また将来家庭を持つことで,家庭音楽の基盤が増え,音楽文化の定着と継続が維持される。戦後発展した器楽教育の大きな成果をここに見ることができる。一方,小,中,高等学校における学校音楽も同様で,特に吹奏楽や合唱などのクラブ活動が,生涯学習の基を作る。顕著なクラブ活動の実績を持つ学校からは,専門家への道に進む者もいる,そうでない者でも,アマチュアとしての活動を継続する,結果的に,音楽を生涯の糧と意義づけた人生を送るのである。以上,これらの例は,生涯学習の視点からいえば,いわば理想的な人達といえよう。このように優等生的学習者でなく,単なる趣味の一つとして位置づけていようとも,この差はあまり問題ではない,音楽教育にとってみれば,両者とも,一応の成果として評価できるのである
掲載誌名
島根大学教育学部紀要. 教育科学
24
1
開始ページ
23
終了ページ
28
ISSN
0287251X
発行日
1990-07-31
NCID
AN0010792X
出版者
島根大学教育学部
出版者別表記
The Faculty of Education Shimane University
資料タイプ
紀要論文
部局
教育学部
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