ダウンロード数 : ?
タイトルヨミ
ショウガッコウ カテイカ ニ オケル カンキョウ キョウイク ノ コウソウ
日本語以外のタイトル
The Curriculum for Environmental Education in Home Economics Subject of Elementary School
ファイル
言語
日本語
著者
多々納 道子
西野 祥子
内容記述(抄録等)
第二次世界大戦後,多くの国々は飛躍的な経済成長を成し遂げ,豊かな生活を享受できるようになった。しかしその結果として,現在,地球温暖化,オゾン層の破壊,熱帯林の減少や都市・生活型公害など地球的規模および地域的な環境問題が多発している。そのため今後,人類が生存し,発展し続けるには,これら環境問題の解決が緊急の課題であり.課題解決には環境教育の推進が重要になってきている。
 これらの環境問題は,そのほとんどが我々の日常生活から生み出されたものであり,生活様式を見直すことによって改善きれる可能性のある問題が少なくない。このような意味で,家庭生活を通して総合的に学ぶ家庭科において,環境問題を取り上げる意義は大きいものがあり、児童・生徒の生活に密接に関わる地域の問題の中から地球的規模の環境問題に発展する可能性のある問題を選択して,教材化することが重要である。また,環境教育はその重要性から判断して,生涯教育として取り組む必要があり,高校まで男女とも学ぶ家庭科は,その基礎段階に位置する教科としてふさわしいといえる。さらに,家庭科においては,男女が学ぶにふさわしい内容を検討する必要に迫られており,環境教育の視点を取り入れることは,これまでの伝統的なあり方を変革する契機となるものである。
 ところで,これまで環境教育の視点から,松江市および米子市に位置する小・中・高等学校の各段階で,宍道湖・中海の水質保全という地域の環境問題を取り上げ,家庭科の衣生活および食生活領域と関連させて授業研究を行ない,これら環境問題解決への行動的理解にまで高めることが可能であることを明らかにしている。
 さらに,家庭科における環境教育のあり方を検討するため,同じ〈宍道湖・中海の水質保全という水の問題を主題として,家庭科という教科の特質をふまえた取り組みを計画した。
 家庭科の教科としての独自性は「対象・方法の総合性,目的の実践性」を挙げることができるように,他教科で学習した内容を具体的な生活場面で相互に関連づけて,対象になった事象を総合的に把握できることにある。このことを水を主題とした問題にあてはめて考えると,水に関する学習は,社会科や理科でも扱われており,家庭科ではこれらの教科で学んだ知識や技術を,実際の家庭生活の場面でどのように生かすかを体験として学ぶことができる。
 本研究では,松江市および周辺に位置する小学校の5,6年の児童が学習することを想定して,この地域の重要な環境問題の一つになっている宍道湖・中海の水質保全に関連した水の問題を総合的に取り上げ,教材化することを計画した。そして,学習をスムースに進めるため,ワークブックを作成し,実践への構想を立てたので報告する。
掲載誌名
島根大学教育学部紀要. 教育科学
27
2
開始ページ
15
終了ページ
36
ISSN
0287251X
発行日
1994-03-31
NCID
AN0010792X
出版者
島根大学教育学部
出版者別表記
The Faculty of Education Shimane University
資料タイプ
紀要論文
部局
教育学部
他の一覧
このエントリーをはてなブックマークに追加