丁雷(2015)の考察を踏まえ、声調と声調を続けて発音する過程における様々な誤りや訛りは、声調間における「溶け合い」のような「発音能力」(融合)との一定な結びつきがあると結論づけた。本研究は、中国語母語話者や大学における第2外国語・中国語の学習者を研究対象にして、多数の音声実験の考察を踏まえ、この声調間における「溶け合い」過程が発音活動にどのような影響を与えるかを解明し、母語話者の声調に対する発音メカニズムを構想する。また、実際の会話における学習者の声調誤りや訛りの矯正活動に、最新の音声合成技術(Manipulation)を導入し、誤りや訛りの見えない発音過程も具体化することも提案する。