本研究の目的は、中高生の自殺に関する文献レビューにより、中高生への自殺予防対策のあり方を考察することである。医学中央雑誌およびCiNii Articlesにて「自殺and 若者」「自殺and 子ども」「自殺and 児童」「自殺and 中学生」「自殺and 高校生」「自殺and10代」をorでつないだものをキーワードに2010~2020年に発表された論文を検索し、自殺予防対策の検討に有用な24文献を分析対象とした。分類テーマごとに整理した結果、自殺の原因・動機(2件)、自殺関連行動の実態(3件)、中高生への1次予防対策(12 件)、自殺念慮者への2次予防対策(4件)、自殺企図者への3次予防対策(3件)に整理された。中高生のSOSを出す力をつけることや、友人からのSOSを受け止める力をつけることの重要性が示唆されたが、今後、家族が子どものSOSを受け止める力をつける教育の実施が望まれる。また、中高生の自殺未遂者対策は未整備であるところが多いため、地域の実情に合わせた検討が必要である。