本研究は、高齢者の排便ケアに関する文献をレビューし、研究の動向とともに今後の高齢者の排便ケアの課題を明らかにすることを目的とした。2007 年から2018 年8月までの国内における排便ケアに関する研究を「高齢者」「排便ケア」および「高齢者」「ケア」「便秘 or 下痢 or便失禁」などのキーワードで検索を行ない、17 文献をレビューした。研究フィールド別にみると、在宅、介護施設、病院でそれぞれ7文献、7文献、3文献であった。在宅領域では、療養者の高い「快」と家族の最大限の介護負担軽減の双方を叶える最善のケアのために、チームで問題を解決していく協働の在り方やアセスメントスキルの充実、施設では便秘に対する排便ケアと入所者の重度化に向けたケアの在り方の検討、病院では病院機能に応じた排便ケアの研究の促進が求め
られる。