本稿では,資本の超国籍化と国家の新自由主義化とが加速するグローバル化時代の山陰経済について,国際物流の視点から分析を行う。まず,海外の研究動向から新たな分析枠組みを検討し,そのうえで,国土形成計画法体制下での北東アジアゲートウェイ構想と山陰地域の政策的位置づけを明らかにする。そして,山陰地域の国際物流の構造を分析し,山陰地域における「フローの空間」の多層性を明らかにする。
The purpose of this paper is to examine the regional economy of San−in in the globalizing age. From the view of the international trade and logistics, it becomes clear that there are at least three tiers of “spaces of flows” in this region.