島大言語文化 : 島根大学法文学部紀要. 言語文化学科編

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島大言語文化 : 島根大学法文学部紀要. 言語文化学科編 5
1998-07-31 発行

メタ比較構文とその周辺

On the Metacomparative Construction and Its Related Constructions
廣瀬 浩三 現代英語構造論研究室
ファイル
a007005h006.pdf 3.59 MB ( 限定公開 )
内容記述(抄録等)
英語における比較構文は,対照的に比較される要素,あるいはthan以下に具現される要素によって様々な構文形式が認められる。本稿では,こうした比較構文の中で,統語的あるいは意味的に特異な存在である以下のような構文形式の比較構文を議論していきたい。1
(1)He says what may be intended as a joke but is more rude than funny.―D.Tannen,That is Not What I Meant(彼が冗談のつもりで口にすることが,おかしいと言うより無礼な言葉になってしまう。)
(1)では,形容詞の"funny"と"rude"が比較の対象となっており,"joke"を意図した言葉は一般的にthan以下にきている"funny"と特徴づけることができるのであるが,彼の口から出た言葉が"rude"と呼ぶにふさわしいものだと主張されている。このように," more A than B"の形式をとって,「語旬の適切性の比較」を問題とする比較構文があり,「ある意味尺度上における程度の比較」を表す一般的な比較構文とは異なる。このような比較構文を本稿では,Pinkham(1982)やChae(1993)などに従い,メタ比較構文(metacomparatives)と呼び,他の類似構文との相違を含め,幅広くその特徴を明らかにしていきたい。
NCID
AA11147571