島根大学論集. 社会科学

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島根大学論集. 社会科学 2
1956-02-21 発行

刑罰の変遷と社会構造(一) : 一つの概観

Punishment nad Social Structure
竹内 正
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内容記述(抄録等)
およそ刑罰そのものなどというものは存在しない。在るものはただ或る時代・或る社会における特定の刑罰制度や刑事慣行のみである。何故に或る時代・或る社会の歴史的現実において、或る種の刑罰方法が採用され、又は斥けられたのか。刑罰も犯罪と同様に一つの社会現象である。そこには常に社会基盤との関連が考えられねぱならない。刑罰制度の発展は、どの程度まで、その基礎をなす社会関係乃至社会構造に左右されるものであるのか。かかる観点から、刑罰制度の歴吏的発展、殊に西洋における発展の跡につき、一つの概観を試みてみたいと思う。そしてその場合、考察の出発点をゲルマン社会のそれに求めたい。ゲルマンにおげる刑法発達の跡は、ローマにおけるよりも遙かに明確なものがあるとされているからである。