社会文化論集

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社会文化論集 16
2020-02-28 発行

ネガティブフィードバックの言語表現が受け手の反応に与える影響

Effects of Linguistic styles of Negative Feedback on the Recipients’ Reactions
落合 陽大 島根大学法文学部卒業生
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内容記述(抄録等)
本研究の目的は、ネガティブフィードバックの言語表現パターンによって、受け手がフィードバックの送り手の動機をどう解釈し、目標をどのように設定するのか、受け手の行動実行や内面感情がどのようになるのかを社会的情報処理論の立場から検討することである。アルバイト先で、店長から仕事に対するネガティブフィードバックを受ける仮想場面を用いて、質問紙調査を行った。人格評価を含むネガティブフィードバックは、他の言語表現よりも、受け手が向上することを思ってではなく送り手のネガティブな感情に従ってなされた発言であると解釈されやすく、送り手との友好的関係や受け手が自分の仕事を向上させようという目標を立てにくくし、受け手の反抗的感情を招きフィードバックを受諾させにくいことが明らかになった。また、受け手の行動を指摘するのみのフィードバックは、送り手のネガティブな感情に従った発話であるとは解釈されにくく、反抗的感情を招きにくいことが明らかになった。動機の解釈、目標設定、行動の実行、内面的感情の関係を検討した結果、ネガティブフィードバックが発せられた動機を送り手のネガティブな感情に従ってのものではなく、受け手の向上のためになされたと受け手が解釈することは、受け手に仕事を向上させよう、送り手との友好的な関係を築こうという目標を立てることを引き起こし、受け手にネガティブな感情を持たせにくく、メッセージの内容を受諾させやすくさせていた。
NCID
AA12006101