島根大学教育学部紀要. 自然科学

ダウンロード数 : ?
島根大学教育学部紀要. 自然科学 22 1
1988-10-31 発行

干渉実験に用いる複スリットの幅と間隔の検討

A Study on the Width and the Separation of a Double Slit for Interference Experiment at Upper Secondary School
高橋 成和
ファイル
内容記述(抄録等)
 高等学校の物理において,光の干渉を提示するのに適した複スリットの幅と間隔について検討した。まず,スリットの幅に対する間隔の倍率 m を組織的に変えて干渉光の強度分布を数値計算し,その「極大の間隔」とスリットの幅を無視して算出する縞の「明部の間隔」とを比較する。これより両者の差を2%以内に収めるには m≧5 にする必要のあることが分かる。
 次に,写真フィルムに製作した複スリットを用いて干渉縞を具現した。この明部の位置測定にも誤差が入るが,m≧5 では差が3%程度に収まる。このとき,NaやHe-Neレーザー光を用いて縞を明確に分解するには,スリットの幅を 3.O×10^<-2>mm 以下にするのがよい。これで干渉縞は,0次の回折像明部の中に10本以上現れる。