島根大学教育学部紀要

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島根大学教育学部紀要 43
2009-12-25 発行

小学校外国語活動におけるALTの活用の在り方に関する基礎的研究 : ALTに対する予備的調査を通して

A Pilot Study on Utilization of Assistant Language Teachers in Foreign Language Activities at Elementary Schools : Based on a Preliminary Questionnaire Survey to ALTs
築道 和明
ファイル
内容記述(抄録等)
 平成23年度から導入される小学校外国語活動に関しては,学習指導要領の趣旨やこれまでの研究開発学校の成果を踏まえた『英語ノート』の出版,学校への配布,教員研修用のガイドブックやDVD等の制作,というように小学校教員に対する国の支援策が進められている。一方で,小学校外国語活動ではALTの積極的な活用も求められている。筆者らは,日本人教員,ALT,教育行政担当者等,小学校外国語活動に関与する側の意識やニーズを十分に踏まえた教員研修を構築することがとりわけ重要であると考える。そのための第一歩として,本研究ではALTの声を探る予備的な調査を実施した。具体的には,人口20万規模のA市に勤務するALT10名に対するアンケート調査を行い,(1)先行研究で明らかにされている問題との比較,(2)小学校と中学校という学校種による問題の比較,という二点を中心に考察を加えた。その結果,コミュニケーション不足や自己有用感の欠如,生徒指導上の問題等,これまでの研究で指摘されていることが今回の調査でもALTから指摘された。「テープレコーダー代わり」という問題は,現在でも解消されていないのである。また,小学校と中学校の間でALTがとらえる問題には,共通面もあるものの,小学校の外国語活動が新規の試みであること,そのため小学校教員自身が不慣れであること,中学校の英語科教科書と『英語ノート』との性格の違いがあること等から,若干異なる指摘もみられた。
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