新学習指導要領1)では,中学校の技術の中に「情報基礎」,高等学核の数学の中に「数学C」として,コンピュータとその活用を教えることがうたわれている。また,小学校,中学校の数学及び理科の授業の中でもコンピュータに関する適切な指導と,コンピュータの活用が述べられている。このような中で現場の教員がいかに情報処理教育を行うかが,新たな課題となっている。
教員養成を主目的とする本教育学部としては,学部学生の情報処理教育を充実させることは,第一義的に大事なことであるが,現職教員の情報処理教育もまた,とりわけ,コンピュータ活用教育の導入期である今日,見過ごすことのできない重要な課題である。そこで,これに対応するため,現職教員のための情報処理教育システムを研究開発し,試行するプロジェクトを組み,その基礎研究に着手した。先ず,当面の対象である島根県下の小学校,中学校,高等学校および特殊教育諸学校の情報処理教育の現状を把握するため,本校,分校合わせて494校の全機関に対し,質問紙調査を行った。また,県下の幼稚園を除く現職教員約8500人の中から1000人を無作為抽出し,コンピュータ教育に対する意見や感想など,意識に関する質問紙調査も行った。
本報では,現状把握のための機関調査の結果を報告する