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タイトルヨミ
セッケイ ニ モチイル サレキザイ ノ センダン キョウド テイスウ ノ キメカタ ニツイテ
日本語以外のタイトル
On the coefficients of shear strength of compacted sand and gravel for the design of earth structures
ファイル
言語
日本語
著者
鳥山 晄司
内容記述(抄録等)
For the design of earth-structures, the coefficients of shear strength are necessary to give shear resistance on the safe side, even if the strain on sliding surface changes from place to place. The shear resistances at each strain are calculated from the relation between strain and deviator stress. The relation between coefficients of shear strength and strain are obtained.
The relation between coefficients of shear strength and strain for Mohr-Coulomb equation, non-linear equation and internal friction angle equation are calculated. The coefficients c and φ in Mohr-Coulomb equation are taken about certain values in range of ε>5%. In adition to this, the method to assume that c=0 and φ is equal to the internal friction angle obtained from peak strengths is on slightly safe side for the design of earth structres. Using this method, it is possible to explain reasonably the emprical method to determine the coefficients of strength. The other two equations have no appropriate method to determine their coefficients with strain.

土および岩盤のように剪断面あるいはすべり面上の垂直応力によって剪断強度の変化する地盤や材料では,現場あるいは実験室内において,剪断面上の垂直応力を変えて剪断試験を行い,剪断応力あるいは剪断応力/垂直応力が最大となる点の垂直応力と剪断応力を求め,これをその垂直応力での剪断強度としている.そしてこの垂直応力と剪断強度に対して、モール・クーロン式,その他の剪断強度式を適用して,強度定数を求めている.このための現場剪断試験や室内剪断試験方法については非常に多くの研究がなされ,室内試験方法としては三軸圧縮試験が標準化されている. さらに,圧密方法や三主応力の大きさの影響,その他についても多くの研究が行なわれている.
 ところで実際の土構造物の設計や斜面の安定解析,支持力の計算などの剪断強度式としてはモール・クーロン式が用いられているが,ここで用いる粘着力cと内部摩擦角φは剪断試験で求めた値がそのまま採用されることはない。砂礫材の場合,これには粘着力がないからc=0と取り,φのみを設計に用いる方法が一般的である.また,粘着力のある土でも実験で得られたc,φをそのまま設計に用いることはなく,cあるいはcとφを実験値よりかなり小さな値を取って設計に用いている.これらの実験値を割り引く基準はなく,設計をする技術者の判断によっており,経験的に決められている.さらに地すべりの安定解析においては室内剪断試験結果は実用的でないとして,現状の安全率を1.00~1.05程度に仮定して,これに対してcやφを適当に決め,この値を基に地すべりの安定化のための工法を設計している.
 このように,剪断試験から求めた剪断強度定数は設計にそのまま採用されることはほとんどない.このことは従来の剪断強度を決める方法に基本的な問題点が存在していることを示唆している.しかし,現在の剪断強度の決定方法は土質力学の誕生以来,変わることなく用いられてきたため,この基本的な問題点に触れることなく,この欠点は経験的という方法によって対処されてきた.
 ここでは現在用いられているピーク強度,すなわち,最大剪断応力あるいは剪断応力/垂直応力の最大値での剪断応力を剪断強度として強度定数を求める方法の基本的な問題点を指摘し,これに対して,強度定数のひずみ依存性を示し,設計に用いるためのより合理的な強度定数の決め方を提案する.そしてこの方法を用いると,従来,経験的に決めているとみなされてきた砂礫材の強度定数の取り方が合理的に説明できることを示す.なお,この考え方は締固めた粘性土の剪断強度や地すべりの安定解析での強度定数の決め方,あるいはSkemptonがLondon clayの斜面の安定解析に用いる強度定数として示した完全軟化強度(fully softened strength)に対しての合理的な説明を与える可能性を持っているが,これらについては今後の実験的検証が必要であり,今回は砂礫材の剪断強度に限定する.
掲載誌名
島根大学生物資源科学部研究報告
1
開始ページ
45
終了ページ
50
ISSN
13433644
発行日
1996-12-20
NCID
AA1112906X
出版者
島根大学生物資源科学部
出版者別表記
Shimane University, Faculty of Life and Environmental Science
資料タイプ
紀要論文
部局
生物資源科学部
備考
1-12+ / 1996-2007
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