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タイトルヨミ
スポーツ ニ タイスル ゲンイン キゾク ニ カンスル ケンキュウ
日本語以外のタイトル
A Study on Causal Attribution for Sports
ファイル
言語
日本語
著者
島田 正大
内容記述(抄録等)
 達成行動の原因帰属理論は,成功・失敗がどのような原因によって規定されたかという原因認知が,その後の達成行動を認知的に媒介するとしている。この成功・失敗を説明する主要な原因として,一般に能力(Ability),努力(Effort),課題の困難度(Task Difficulty),運(Luck)の4要因が用いられる。さらにこれらの帰属要因は,統制の位置(Locus of control : 内的−外的)と安定性(Stability : 安定−不安定)との2次元上に分類され,統制の位置次元が感情反応に,安定性次元が期待の変化に影響するとされる(表1を参照)。
    表1 成功失敗の認知的決定要因
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      |    統 制 の 位 置
安 定 性 −−−−−−−−−−−−−−−−−
      | 内    的 | 外    的
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安   定 | 能    力 | 課題の困難度
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不 安 定 | 努    力 |   運
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 たとえば,努力に帰属される成功は,課題のやさしさに帰属される成功よりも成功に対する誇りや有能感のような感情反応は高いと考えられる。また,能力不足に帰属される失敗は,不運に帰属される失敗よりも次回の成功への期待を大きく減じさせるであろう。つまり,以上のような認知的プロセスを経て感情反応と期待の変化が,最終的に次回以降の達成行動の強さ,方向,持続性を決定するとされるのである。
 運動やスポーツの場面では,その特性としての競争性から必然的に勝敗を繰り返し経験しなけれぱならないために,その原因の認知過程は極めて重要な意味を持つといえる。また体育の学習場面では,失敗経験の反復に起因すると考えられる「運動ぎらい」や「体育ぎらい」の問題がしばしば指摘されているように,スポーツにおける原因帰属を検討することは,教師の具体的指導に有益な手がかりを与えると思われる。
 ところで,体育・スポーツ事象を原因帰属の立場から検討した研究は,そのほとんどが運動課題での成功・失敗あるいはスポーツでの勝敗に対する原因帰属のパターンを検討したものであり,体育・スポーツ場面でのパフォーマンスが何によって規定されていると認知しているかという一般的な傾向を検討しようとした研究はみあたらない。
 また,体育・スポーツ事象を原因帰属の立場から検討する場合,原因帰属と同様に運動パフォーマンスを規定していると考えられる自己評価や態度などとの関係を検討する必要があると考えられる。
 そこで本研究では,以下の2点を明らかにする目的で行われた。
 1スポーツに対してどのような原因帰属の様相を示すのか。また,原因帰属の様相は,高校・大学および性によって差異があるのか。
 2原因帰属と白己評価および態度との間にどのような関連があるのか。
掲載誌名
島根大学教育学部紀要. 教育科学
16
開始ページ
43
終了ページ
48
ISSN
0287251X
発行日
1982-12-25
NCID
AN0010792X
出版者
島根大学教育学部
出版者別表記
The Faculty of Education Shimane University
資料タイプ
紀要論文
部局
教育学部
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