私は、二〇〇二年九月五日から十月七日までの間に、実質九日間であるが、A弁護士のご協力を得て、「実務研修」をさせてもらった。「研修」といっても、もっぱらA弁護士の後について周って、A弁護士の日常業務を仄聞するだけという、至って安易なしかも一方的なものであったために、どれほどの実習の「成果」を上げたかは言うも愚かといったところではあるが、弁護士の表面に現れる「活動」の一端に触れ、日頃なじみのない裁判所に何度か通って「法廷」を傍聴したり、A弁護士との会話のなかで感じたり考えたりしたことを通して、私なりに獲得するものは多かったように思う。
ロウ・スクールは法曹実務家養成を目的にする専門職養成大学院である。これからの時代に要求される法曹実務家の資質とは何かを、これに係わるものは常に考えていかなければならないが、今回の「研修」をその「一助の」「始まり」にすることを密かに誓って、研修報告をまとめてみた。
実質九日間であったので、「日誌」風にまとめて、終わりに「感想」を述べることにする。ただし、正確なメモや資料は残していないので、「日誌」の内容については、少しく不正確、曖昧な点があることはお断りしておく。