Journal of social systems

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Journal of social systems 6
2001-12-25 発行

中国地方における季節区分の再検討

A Study on the Division of Seasons in the Chugoku District
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Description
温帯地域に属する日本は四季の変化が明瞭であるといわれ,「二十四節気七十二侯」という古代中国の暦法において考えられた季節区分が一部形を変えながら使われるなど,季節の変化は身近な関心事の一つとなっている。気侯学は本来様々な季節現象を研究する学問であるが,季節変化そのものを扱う季節学研究も高橋(1942)をはじめ数多くなされている。例えば,坂田(1950)は累年平均値にみられる不運続変化に注目した季節区分を行い,吉持(1962)は東京の降水日数を太陰暦で集計しその特異日から季節分類を試みた。また,木村(1963)は日平均相当温度にみられる階段型変化に注目した季節区分を行い,吉野・甲斐(1977)は気圧配置型の出現状況による季節区分を行っている。
ところで,気侯学・気象学で扱う平年値は10年ごとに改訂が行われ,2001年からは1971年~2000年の平均値が使われている。先に述べた坂田(1950)は中国地方5カ所における20世紀前半の平年値に基づく季節区分を行っているが,20世紀においては地球温暖化あるいは都市の発展に伴う高温化などが指摘されており,季節の推移にもその影響が及んでいることが考えられる。そこで今回はこのことを検証する第1歩として,新しい平年値を用い,中国地方を対象とした季節区分を試みたので報告する。なお,使用したデータは「気象庁編集:CD−ROM版平年値」である。扱った気侯要素は気温,降水量,日照時間の平年値であり,全天日射量は観測されていない地点が多いので使用していない。