国語教育論叢

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国語教育論叢 5
1995-09-01 発行

ワルシャワ日本人学校と国語科実践報告(1991年4月から1994年3月までの活動と実態を中心に)

Teramoto, Manabu Faculty of Education,Attached Junior High School, Shimane University
File
b0040005008.pdf 2.33 MB ( 限定公開 )
Description
 1、はじめに
 (1)ワルシャワでの3年間への思い
  人生の中の重要な3年間を過ごすことになったワルシャワ。 私は次のような言葉で、ワルシャワの人々に別れを告げてきた。
 離任式でのあいさつ
 本日、こうして3年間の任期を終え、離任できますのも、皆様方に公私共に支えていただいたお陰と、深く感謝しております。
 私のポーランドでの3年間は1歳と11か月で来た娘に教えられることが多かったように思います。娘にとってお手伝いさんパニ・エバは、日本のおばあちゃんよりもつき合いが長くなり、ポーランド語で意志を伝えあっています。まさにポーランドのバブチャ(おばあちゃん)となりました。 また、ポーランドの幼稚園に通園した娘にとって、髪の毛や目の色が違うのは普通のこと。日本人だからとか、ポーランド人だからというこだわりなどありません。他の国に旅行した時も、日本語を話さない人はすべてポーランド語で通じると思っているのでしょう。遊園地で遊びながら一生懸命ポーランド語で話しかけています。私はこの娘に勇気づけられることも多く、日本と比較するのではなく、ポーランドを丸ごと受け入れようとしている姿に感激しました。
 学校では1年目に生まれて初めて小学生の担任をさせてもらいました。2年目には中学生の担任として8名の中学生とともに学校を支える力になれたように思います。3年間、やり足りない面もたくさんあったと思いますが、どうかお許し下さい。赴任するまでは、はるかに遠い国だったポーランドで、私はたくさんのすばらしい方々と出会い、ポーランドを近くに感じ、好きなままで帰国することができます。この幸せな気持ちを、日本で、中学生たちに少しでも伝えていくことが、私の次の仕事だと考えています。3年間ありがとうございました。さようなら。
 この原稿を書くことによって、上記のような私の気持ちを一人でも多くの日本の人々に伝え、また、国際社会に向かって羽ばたいていく児童・生徒の教育に携わる先生方の参考になればと考えている。