日本の大学における第二外国語としての中国語教育では,多くの教員が中国語の声調の訓練を重視している。しかし,実際の授業から見れば,これらの声調の訓練は単音節声調に重きをおくことが比較的多く,双音節声調に関する専門的な解説や双音節声調の特性に合わせた訓練などがなお欠如している。周知のとおり,実際のコミュニケーションでは,双音節声調の出現頻度は単音節声調よりはるかに高い。したがって,双音節声調の教育・訓練の実態からすれば,このような声調訓練はもはや言語応用から脱線しているのである。脱線に至った原因は,中国語の教員が如何に単音節声調と双音節声調との関係を認識するかにあるものと考えている。