中国語の状語と補語の基礎的な知識を理解するために,劉月華『漢語語法論集』の『状語与補語的比較』を選んでみた。その理由は,この論文の冒頭に書いてある,(この論文が)中国語を学ぷ者に対して実践的な意味を持ち,状語と補語の文法意味を進めて研究するためにも役立つ,ということによるからである。この点が小文の状語と補語の研究に有意義であるとも考えられるからである。
小文が分析することは,主に『状語与補語的比較』が引用している例の中の幾つかである。これらの例は大まかに言って成立文(正しい文)と不成立文(間違いの文)に分けられる。ここではそれぞれの中から幾つかを選んで検討することである。方法としてはまず例文自身に対しての分析であるが,同時にこれらの例文に加えられている説明または解釈についても,また『状語与補語的比較』の冒頭に挙げている四原則も参照して,例文の問題点を考える。これらのことを通じて,状語と補語の基礎的な問題の一端を窺うものである。