本研究は、社会的領域理論に基づき、道徳領域、慣習領域、個人領域、それに自己管理領域、集団領域の行動を加え、これら5 つの領域の行動に対して、クラスや先生といった他者が決定することの正当性、決定への従属義務、決定に従属するか、決定がない場合にその通りに行動する必要があるかについて、小学3 年生、5 年生、中学2 年生、大学生がどのように考えるのかを検討した。小学3 年生から個人領域の行動を他者が決定することは道徳領域の行動を他者が決定することよりも認めないこと、自己管理領域の行動については中学2 年生になって個人領域の行動と同様に他者決定を認めなくなることが明らかになった。また、小学3 年生は全体的に他者の決定を認める傾向が高いが、5 年生は何事に関しても他者の決定を認めない傾向が強く、中学2 年生になってやや柔軟に他者による決定を領域によって受け入れるようになることが明らかになった。