近年,医療を取りまく急速な環境変化のなかで,高度化および多様化するニーズをみたすため
に,看護職員の確保のあり方にも新たな展開が求められている。本稿では,看護職員の需要構造
に影響を与える医療制度改革の展開を概観しつつ,このような方向のもとでの看護職員の供給動
向を調べ,看護職員の労働市場の実態を明らかにして,その課題を探った。
看護職員の労働市場では,需要のある急性期病院,在宅療養関連の施設等に必要な看護職員が
十分に確保できない状況が深刻化しつつあることが明らかになった。今まさに,看護の現場では,高質な市場を追及しつつ,必要なところに必要な看護職員をいかに確保するかが緊急性の高い課題となっていることが指摘できる。