島根大学教育学部紀要

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島根大学教育学部紀要 45
2011-12-28 発行

地方都市の住宅における今後の畳空間の方向性 : 島根県松江市の場合

The Direction of Tatami Space in Rocal City Houses : In Matsue-city, Shimane Pref.
小野 聡美
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内容記述(抄録等)
 畳空間の現状や畳空間に対する意識を知ることにより、より望まれる畳空間を探り、今後の畳空間の発展方向を検討することを目的として調査を行った。
①住宅における畳空間の設置率は高く、利用率も高いが、わずかではあるが畳空間を設置していない住宅もあった。
②畳空間は快適性の面で良いイメージがもたれていた。また、幅広い年代で伝統的なイメージがあるものの、若い世代程、「歴史的建造物」のイメージが強くなっていた。
③年齢別にみると、若い世代ほど「嫌い」「つくりたくない」「今後は一般住宅でつくられなくなっていく」と答える割合が高くなり、愛着がなくなってきており、今後は畳空間を必要と考えない人が増える可能性が考えられた。
④畳空間を日本文化として残していきたい人が多いものの、畳空間に愛着のない人ほど、残さなくてよいと考えている割合が高かった。
⑤空間デザインは、年齢の高い人や男性は伝統的な空間を、若い人や女性は洋室に近い雰囲気の空間を好んでいた。
今後は住宅への畳空間の設置率は徐々に減っていき、内部デザインについては伝統的な畳空間が減り、現代住宅に合わせやすい洋室に近い空間が増えていくと予想される。また伝統的な空間は、今後は住宅以外の旅館や寺などといった場で残っていくものと考えられる。
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