島根大学教育学部紀要. 教育科学

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島根大学教育学部紀要. 教育科学 4
1970-12-28 発行

学校舞踊の創作に関する諸問題

Problems in the Creation of the School Dance
碓井 エイ
ファイル
内容記述(抄録等)
 毎年,前期に開講している舞踊Iは多人数となる。受講生は毎年同じように軽快な各国民踊を楽しみ,動物乗物の模倣遊びに微苦笑する。また想像豊かなリレー童話を創っては動きの漫画に歓声を出す。最後の創作活動では具象と抽象の境界を防僅いながらも,個性美豊かな作品を一応創作できる。
 踊ることの好きな人達は多い。然し創って踊る活動を悦ぶ人は少ない。軽い跳躍の緊張感を喜ぶ人もおれば,性格上の問題から人前での踊りは出来るだけ避けたいと願う人も少くない。
 創作に関しては毎年同傾向の悩みを知らされ,同じ傾向の間題点が指摘されだしている。このことは昨年,特別課程保健体育専攻生男子に対する舞踊指導実施により,明確に問題とする目標を把握できるようになった。指導者の立場で優秀な創作作品を創り踊れても,その作品を生んだ種々の創作過程は差意識の深化していない児童・生徒には勿論理解できない。問題は成長発達段階に応じた,模倣・表現・創作の根本問題の追求により,その系統性を探ることにあろう。
 今回は問題とみられる周辺から基礎資料を求め関連のある事実を知り,更に簡単な分析を試み,創作過程の理解を容易にする学習指導型態を生む手がかりにするものである。