本研究では、異化の詩教育学をふまえた教材編成の理論と方法について考察する。詩教材は、詩教育を成立させる不可欠の要素である。詩教材を、どのような観点で編成していくか、という問題は、詩教育にとって重要な研究課題であった。
本研究では、ポスト鑑賞論の立場から、従来の鑑賞中心の教材編成の問題点を明らかにした上で、本論文の主題である、「異化の世界を作りだす詩教育」に独自の教材編成案について提案する。
私の詩教育研究において、これまで、詩教材とは何か、という教材論については、何度か考察してきた。しかし、個別の詩人・作品を事例としたものが多く、詩の世界を包括する教材編成の方法というのではなかった。そこで、これまでの研究をふまえて、教材編成の新しい視点を提示してみたい。