近時,陸上交通,特にトラック輸送路の伸展にともない、各トラック輸送業者による輸送能力の増大は著るしいものがある。この事実は車輛運転者はもとより運送業者にとって「安全」という問題が人命、積荷の保護及ぴ生産能率の維持向上の諸問題と直結してきわめて重大かつ根本的なものであることを意味する。
一般に,車輌運転の安全性は,いわゆる運転者自体の主体的条件とそれに係わる客体的諸条件の相互関係によって規定されるといえるが,本研究は某貨物運送株式会社における運転業務者を事例対象として,主に現行労働負荷条件下での運転者の主体的状況の解析に目標を置いた。
即ち、本調査では,長距離トラック運転作業によって生ずる運転者の疲労度を,心理的・生理的側面より測定し、その実態の把握を試みたのである。