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Title Transcription
ルソー コルシカ ケンポウ ソウアン ニ ツイテ
Title Alternative (English)
J.-J.Rousseau,"Projet de constitution pour la Corse"
File
a009019h003.pdf 2.23 MB ( 限定公開 )
language
jpn
Author
Sasaki, Nobuomi
Description
周知のようにルソーの『社会契約論』(一七六二年)は、彼の政治思想の理論的到達点と見られる。これに対して、『コルシカ憲法草案』(一七六五年―以下『草案』と略称)は『ポーランド統治論』とともに、その基本理論を一つの現実の国家に応用しようとした試みにほかならない。この『草案』は、『エミール』(一七六一年)出版のあと、その宗教観のため迫害を受けて放浪中に執筆されたものであり、そのために、体系的に完成されたものではなく断片的資料のままで残されたものである。しかし、『草案』は現実に存在する国家を対象にして扱っているので、その叙述は具体的かつ実践的であり、『社会契約論』をふまえてルソーの思想を理解するうえでかなり参考になる文献と思われる。本稿では、『草案』に盛られたルソーの見解を、経済制度・政治制度・道徳の三つの分野にわけてそれぞれの特徴点を中心にして紹介していきたい。なお、このように分けたのはあくまで便宜上のことで、厳密にいえば正しい方法ではない。なぜなら、ルソーの場合、経済制度に独自の法則が承認されそれ自体が別個の社会現象として扱われるようなことはなく、むしろ経済は政治に吸収されたかたちであり、極言すれば政治制度の一環として経済のあり方が定められているともいえるからである。また、たとえば、道徳についていえば、ルソーが最も重要な道徳の一つとして強調している祖国愛は、それ自体として単に説教的に説かれるのではなく、国の経済制度・政治制度の仕組みと密接に関連させながらその形成の地盤・その重要性が明らかにされているのである。したがって、本稿でもできるかぎり経済・政治・遣徳の問題を相互に関連させつつ述べていきたい。
Journal Title
島根大学文理学部紀要法学科篇 : 島大法學
Volume
19
Start Page
67
End Page
90
ISSN
05830362
Published Date
1973-03-31
NCID
AN00107522
Publisher
島根大学文理学部
Publisher Aalternative
The Faculty of Literature and Science, Shimane University
NII Type
Departmental Bulletin Paper
OAI-PMH Set
Faculty of Law and Literature