Memoirs of the Faculty of Law and Literature and the Graduate School of Law, Shimane University

島根大学法文学部
ISSN:0583-0362
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Memoirs of the Faculty of Law and Literature and the Graduate School of Law, Shimane University 62 3・4
2019-02 発行

ドイツ連邦通常裁判所の殺人の故意に関する 「抑制をかける心理的障壁論」と故意概念(3・完)

Die Hemmschwellentheorie des BGH und der Vorsatzesbegriff(3)
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はじめに
Ⅰ 心理的障壁論とは何か
1 心理的障壁論の援用
2 心理的障壁が阻むこと
 (1)殺人行為に出ること
 (2)殺人の故意をもつこと
 (3)殺人の故意を認定すること
3 心理的障壁論の問題点
 (1)ドイツ刑事訴訟法典261条に関する問題
 (2)心理的障壁論の援用上の問題 (以上、60巻1=2号)
Ⅱ 故意の認定に要求される事実
1 本章で取り上げる事実について
2 客観的危険性からの推論と両立しない事実
 (1)動機
 (2)人格・被害者に対する従前の態度
 (3)行為後の態度
3 客観的危険性からの推論ができないことを示す事実
 (1)突発的に行為に出たこと、興奮状態に陥っていたこと
 (2)アルコールや薬物の影響、精神障害
 (3)人格的未熟さ等
4 客観的危険性からの推論に影響する事実
 (1)行為態様
 (2)結果の大きさ
ドイツ連邦通常裁判所の殺人の故意に関する
「抑制をかける心理的障壁論」と故意概念(3・完)
大 庭 沙 織
ドイツ連邦通常裁判所の殺人の故意に関する「抑制をかける心理的障壁論」と故意概念(3・完()大庭) 83
 (3)行為の危険性を低く推認させる特別な事情
 (4)行為に対する被告人の認識(以上、62巻2号)
Ⅲ BGH判例の近年の傾向
1 2012年判決(BGH, Urt. v. 22. 3. 2012 – 4 StR 558/11)
2 学説による2012年判決の理解
3 2012年判決以降の変化
 (1)故意の認定方法の変化
 (2)事実審へのBGHによる介入の変化
Ⅳ 心理的障壁論と故意概念 
1 実際の心理状態としての故意の理解の貫徹
2 心理的障壁と故意非難
3 心理的障壁論と熟考という心理的事実
おわりに(以上、本号)
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