島根大学文理学部紀要. 文学科編

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島根大学文理学部紀要. 文学科編 5
1972-03-20 発行

『為兼集』甲集の考察

Kobara, Mikio
File
a008005h004.pdf 4.42 MB ( 限定公開 )
Description
さきに本紀要第四号(昭和四十六年三月発行)に、『続群書類従(続群書類従完成会、第十六輯上)所収『為兼集』二集の中、その乙集(寛政九年六月下の六日の奥書)について「『為兼集』乙集の考察」なる拙稿を発表した。ここに他の一本甲集(文安元年三月下旬の奥書)についての小稿を掲載する。さきの乙集の場合と同じ方法形式で記述したものを発表して、両者を併せて考察の資とすべきであるが、乙集の場合も紙幅制限のため省略した部分もあったが、甲集は歌数が、乙集の約二・九倍にも達している(乙集、二七七首。甲集、七八九首)ために、乙集の場合と同じ形式では本紀要に掲載できないので、止むなく、組織と作者とに重点を置いたものにすることにして、乙集で記述した「一覧表」の「事項」欄(各歌の成立に関する事項)・「百首歌合撰集家集」欄(上記の出典に関する事項)・「備考」欄(各歌に関する異同校合の事項)は省くことにした。しかし作者名を得た諸書(上記の出典の事項)については、「『為兼集』甲集と定数歌・歌合・諸集等」の節において各該当の事項の所に簡単に示しておいた。また「一覧表」の「備考」欄は全部は省かないで、そこに松平文庫本『為兼集』との異同を校合しておいた。これは今回が初めてである。松平文庫本『為兼集』は、ここにいう甲集であり、精述は略すが、『続群書類従』本と同一系統の写本で、両書とも祖本を同じくしていると思われる。
NCID
AN00108037