島根大学論集. 社会科学

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島根大学論集. 社会科学 2
1956-02-21 発行

W.W.クツクの国際私法理論

W, W. Cooks Theory on Private International Law
三浦 正人
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内容記述(抄録等)
本稿には今春東京大学における国際私法学会総会の際に筆者のなした同じ題目の報告の主要部分が含まれる。その主旨は、国際私法学の最も先端的な学者として夙にわが国でも注目されていたにもかかわらず、ワルター・ホイーラー・クツク(Walter Wheeler Cook)の理論の内容の紹介についてはなお不充分な点もある様に見うけるので、その基本的立場を筆者の理解する限りにおいて解明せんとするものである。因みに筆者の知るクツクの経歴はほぼ次の如くである。一八七八年米国オハイオ州に生れ、一八九九年コロソビア大学を卒え、元来は自然科学者として出発したが後国際私法学へ転向した変り種で、ノースウエスタン大学教授として活躍し、一九四二年「牴触法の理論的ならびに法的根拠」(Logical and Legal Bases of the Conflict of Laws)を出版しその後まもなく逝去した。彼の学説は数々のモノグラフイーに依つて知られているが、上述の主著に集大成されているので本稿も専らこれに依拠した。従つて本稿に引用する頁はすぺて該書の頁を指す。