学校教育実践研究

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学校教育実践研究 6
2023-03-31 発行

中学校理科教科書に見られる仮説設定 : 島根県松江市で採択された教科書を例として

Setting Up a Hypothesis in Middle School Science Textbooks: The Textbook Adopted by Matsue City as an Example
原田 奈央
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内容記述(抄録等)
 中学校理科教科書における各節の学習課題より後、観察・実験より前の探究の過程の段階に記載された「課題に対する自分の考えは?」或いは「仮説」と記載されている場面を仮説の設定場面として抽出した。さらに、この段階における教科書に記載された文章や絵・写真、吹き出しを対象として、教員の判断で仮説が設定可能な節も抽出した。その結果、各学年各領域において2~4、多い領域では7つの節で仮説設定を促す教科書の構成となっていた。
 基本的には教科書に記載された仮説設定の内容と方法で生徒に仮説を考えさせる。だが、教科書では仮説を設定させるようにはなっていないが、教員の判断で仮説を考えさせてもよい節もある。その一方、教科書には仮説設定場面が記載されているが、理科の見方・考え方を捉えさせる点を重視した方が良い時期や必ずしも教科書に記載されたとおりの仮説設定が期待できない難しい節もある。採択された教科書の意図を慎重に読み取りながら、教員の判断で取捨選択して中学校3年間を通して生徒に仮説設定の力を啓培することが必要であるという結論が得られた。
NCID
AA12819551