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タイトルヨミ
シユウリン カイケイ ニオケル カンジョウ タイケイ ト カンジョウ ガイネン
日本語以外のタイトル
Studies on the Account-system and account-concept in Private Forestry Accounting
ファイル
言語
日本語
著者
中尾 鉱
内容記述(抄録等)
 わが国の林業関係企業(会社)は,その数ほゞ500と推定されている。これを,合名会社・合資会社・有限会社杜・株式会社などの形態別に見ると,6:9:15:70で,株式会社数がもっとも多い。林業関係会社と言っても,その大半は採取林業,製材事業,木材流通などを主要業務とする会社であり,企業規模も大中小さまざまである。自社の社有林を経営し,職制上の管理部門を設けて,相当大規模な育成林業を行なう企業は,株式会社形態のなかの一部にすぎない。
 いわゆる大規模育成林業部門をもつ会社が,ゴーイング・コンサーンとしての林業を経営する目的は,簡略に言うことはできぬが,大まかに整理すれぱ,およそつぎの2区分となるであろう。
(1)木材を原材料として使用する企業が,所要木材の全部または一部を,社有林において自給しようとするもの。いわゆる産業備林の経営を指向するばあい。
(2)上記のように,原材料自給部門として林業を経営するのでなくて,一般市場向け木材の生産,供給を意図するもの。いわゆる木材販売におけるマーケット・シェアーの拡大を指向するばあい。
(1)に属する業種は,紙パルプエ業,礦鉱業,製材および木材工業,土建業などが主なものであり,(2)に属するものは,育成林業プロパーの会社または総合商社などの経営する林業である。
 上記の目的区分にかゝわらず,主業または付帯事業として大規模な育成林業を経営する企業について,代表的な会社名を列挙すれぱ下記のとおり。
 王子製紙,本州製紙,十条製紙,北越製紙,北日本製紙,大昭和製紙,巴川製紙,三興製紙,高千穂製紙,紀州製紙,神崎製紙,大王製紙,日本紙業,日本パルプエ業,山陽パルプ,東北パルプ,興国人絹パルプ,国策パルプ,東海パルプ,東洋パルプ,中越パルプ,東洋紡績,住友林業,三井物産,三井木材工業,三井農林,日産農林工業,秋木工業,北海道炭礦汽船,アサヒビール,大一商店,小岩井農場,王子造林,東洋林業,日本造林,北海道造林
 なお,わが国の法人経営に属する社有林面積は約80万ha(昭36・3月)で,うち紙パルプエ業の社有林は,約25万haである。
 前掲諸会社は,いずれも職制上の山林管理部門(名称はまちまちであるが,山林部・林業部・営林部などと称する会社が多い)を置き,経理担当部門とともに山林事業に関連する諸勘定の管理を行なっている。各社の勘定体系と勘定概念はそれぞれ特色をもち,一定の方式によって経理されているが,これに関する資料文献は皆無であって,林業会計研究分野のウィーク・ポイントと言われている。
 筆者は昭和38年度,内地留学の機会を利用して前掲諸会社のうち約10社について,社有林経営や会計方式の調査を行なうことができたので,そのなかからM物産K.K.をとり上げ勘定体系と勘定概念の問題について報告する。他の企業の林業会計組織についても機会を得て報告したい。
掲載誌名
島根農科大学研究報告
13
開始ページ
(A-5)162-178
ISSN
05598311
発行日
1965-01-10
NCID
AN00108241
出版者
島根農科大学
出版者別表記
The Shimane Agricultural College
資料タイプ
紀要論文
部局
生物資源科学部
備考
A,Bを含む
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