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タイトルヨミ
リンシュ テンカン ノ ケイザイ ブンセキ
タイトル別表記
An Economical Analysis on the Conversion of "Fuel-Forest" into "Timber-Forest"
ファイル
言語
日本語
著者
赤井 英夫
佐川 安弘
内容記述(抄録等)
 今日の我国林業において林種転換が如何なる意義を有するかについては,今更強調するまでもなかろう。先に筆者は薪炭材生産の場合と育林投資を行つた場合とについて,その投入産出関係の比較考察を行つたが,本研究はその基礎の上に,林種転換はどのように進められているか,その担い手は如何なる階層であり,推進している要因は何か,また阻止している要因は何か,といつた問題について考察を行なつたものである。
ところで林種転換には,既に用材林化が進んでいる地方において更にこれを拡大発展させる場合と,薪炭林経営が支配的な地方においてこれを用材林に転換する場合の二つが考えられるであろう。今仮に前者を第一類型の林種転換と言い,後者を第二類型の林種転換と呼ぶこととする。第一類型では,林種転換は既存の用材林業を母体とするその拡大発展として理解されるのに対して,第二類型では,薪炭林経営の支配的な経済秩序を多かれ少なかれほり崩して進められるところの用材林化と考えることが出来よう。また第一類型の場合は主として用材林業よりの収益によつて人工造林の拡大が行われるのに対して,第二類型では主として他の部門からの収益を基盤として用材林化が進められる。塩谷氏と大平氏は,一方に用材林業が進んだ地域=商品生産的経営の支配的な地域における林種転換をおき,他方に用材林業の遅れた地域=商品生産的経営が行われず自給的経営の行われている地域における林種転換とを対比され,一般山村では業資本が未発達で後者が多いとされているが,筆者は用材林業の進んだ地域における林種転換を第一類型とすのに対して,同じく商品生産である薪炭林業の支配的な地域にわける林種転換を第二類型としてとりあげているわけである。これは筆者の基礎的視点が,山村における貨幣経済の浸透商品生産の発展は,その個々の特殊条件に応じて用材林業の支配的な地域と薪炭林業の支配的な地域とを生み出してきたとみることによる。この研究は第二類型の林種転換を対象とするものである。
一般に島根県における林種転換はこの第二類型の展型とみなすことができようが,今日の島根県中東部における林種転換をみると,中国山脈沿いの飯石郡・邑智郡等において盛んで,山陰線沿いの八束郡能義郡ではあまり進展をみていない。(交通条件の良いところで林種転換が進まず,より悪いところで進むという理論とは正に逆の現象である。)そこで今日林種転換の盛んな町村の中から飯石郡頓原町頓原=旧頓原町,邑智郡出羽村田所=旧田所村を,今日比較的盛んでない町村の中から八束郡八雲村熊野=旧熊野村,能義郡布部村をとりあげて研究の対象とした。
以下先ず調査町村のアウトラインを述べ,次いで林種転換の進展とその担い手について,最後に林種転換の推進要因と阻止要因について明らかにしよう。
掲載誌名
島根農科大学研究報告
5
開始ページ
109
終了ページ
121
ISSN
05598311
発行日
1957-03-31
NCID
AN00108241
出版者
島根農科大学
出版者別表記
The Shimane Agricultural College
資料タイプ
紀要論文
部局
生物資源科学部
備考
A,Bを含む