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タイトルヨミ
スギ オヨビ ヒノキ ジンコウリン ニ オケル セツガイ ニ カンスル ケンキュウ 2 リンボク ノ サイズ オヨビ セイリツ イチ ガ セツアツガイ ニ オヨボス エイキョウ
日本語以外のタイトル
Effects of tree size and growing position on snow pressure damage in a sugi (Cryptomeria japonica D.Don) and hinoki (Chamaecyparis obtusa Endl.) plantation of the Sambe Forest, Shimane University
ファイル
言語
日本語
著者
川上 誠一
三浦 恒雄
後長 正行
森山 勲
寺田 和雄
内容記述(抄録等)
The prevention of snow damage is an important problem in the field of coniferous plantation forestry under the snowy condition. We have planted sugi or hinoki plantations for 30 years in the Sambe Forest, Shimane University. The Sambe Forest has much snow and low temperature in winter. Some of coniferous plantations were damaged or destroyed by snow cover. Two 8m x 44m belt transects were established in a young sugi and hmoki mixed plantation on a uniform hill slope of the Sambe Forest. One transect is treated with pruning of lower branches,and another is control site. Snow damage was occurred at all positions of slope. High damage rate was observed in the upper position of pruned site. Smaller trees were severely damaged than larger. It is important to increase the growth rate of the individual trees during earlier growth stage to prevent snow damage and to establish commercially valuable plantation.

 拡大造林の進展にともない造林地が奥地化し,また多雪地などの不適地への造林がおこなわれた.多雪地でかつ奥地の造林地の場合、雪害と不十分な手入れのため形質の悪い造林木がまばらに残る典型的な不成績造林地が形成される(山下・高本,1997).河原(1994)は,このような不成績造林地では広葉樹を活かす施業を勧めている.赤井ら(1989),清野(1991),小谷・矢田(1989),長谷川(1991)も不成績造林地の取り扱いについて同様の見解を示しているが,不成績造林地に至るプロセスにおける雪害の役割に言及するものはなかった.
 林木の雪害は一般に機械的雪害と生理的雪害に分けられ,このうち機械的雪害はさらに荷重の害,沈降の害,移動の害そして雪崩の害に分けられる(荒木,1995).佐伯・杉山(1965)が指摘するように中国山地は北陸地方についで荷重害発生の危険が高い地域であり,移動害発生の危険も高いことが予想される。雪圧害発生の要因は雪質,積雪量,積雪深(佐藤,1980)、微地形(高橋・高橋,1970)である.中国山地中央部に位置する島根大学三瓶演習林の針葉樹人工林では幼齢林で移動の害つまり雪圧害が,全ての林齢で荷重の害すなわち冠雪害が発生している.このため春先には冠雪被害木の除間伐作業が、また幼齢林では倒伏した個体の雪起し作業が必要である.これらの作業には相当量の人工数を要するため,大学演習林を含め林業現場における作業員の高齢化と減少さらに保育管理の省力化と低コスト化を考慮すれば,針葉樹人工林における雪害の回避軽減が望まれる.
 本研究では造林地が不成績林地化する重要な要因である雪害に着目し,雪害の中でも雪圧害の発生を施業を通して予防または軽減する可能性を探る.前報(川上ら,1997)では袴落し施業が必ずしも雪害予防に有効ではないという結果が得られたが,本報では造林木の個体サイズおよび成立位置が雪害の発生に及ほす影響を明らかにする.
 研究の機会を与えていただいた附属生物資源教育研究センターの新村義昭博士および本稿をまとめるにあたり有益な助言をいただいた森林環境学講座の片桐成夫博士にここに記して感謝申し上げる.
掲載誌名
島根大学生物資源科学部研究報告
2
開始ページ
41
終了ページ
46
ISSN
13433644
発行日
1997-12-20
NCID
AA1112906X
出版者
島根大学生物資源科学部
出版者別表記
Shimane University, Faculty of Life and Environmental Science
資料タイプ
紀要論文
部局
生物資源科学部
備考
1-12+ / 1996-2007
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